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Wadia850ですが、CDの読み込みが永らく不調でした。

不思議と特定のCDだけは読み込めて、その後は他のCDでもなんとか稼働する状態が暫く続くので、だましだまし使っていました。

ある日、いよいよ頼みの綱である特定のCDも読み込めなくなってしまい、例のごとく山手サービスさんにSOSのメールを送りました。
遣り取りの中で「Wadia850をこの機会にBlue化しませんか」と提案されました。予算オーバーになるので悩みましたが、修理のたびごとに少しずつバージョンアップさせるのは時間のコストパフォーマンスがとても悪い。更には自分の年齢の問題もあります。いつまでものんびりとしてはいられません。そこでえいっとばかりに金銭的には無理をして修理及びBlue化をお願いしました。

山手サービスさんのもとに「修行」させて2ヶ月程後、見た目は変わらないが電解コンデンサやオペアンプの交換などで中身は大きく変貌したWadia850が帰ってきました。
修理の結果、読み込めなかったのはピックアップの経年劣化によるものでした。良品に交換してもらったので、また暫くは心配なく使用できるというものです。

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さてBlueになった音ですが、Wadiaらしさが薄くなったか?というのが正直な印象です。

音の鮮明さが増したとき「薄皮が剥けたようだ」と表現しますが、今回は「薄皮」ではなく「透明な壁」が取り払われたといったレベルです。鮮明さが増したことで鳴っている楽器の力強さも向上しました。低音はダレずにギュッとまとまり、乾いて切れのある音を奏でます。空間の表情が雑味なく深まったので、表現力が別物のCDプレーヤーに変成したようです。録音の良いCDは勿論のこと、古いCDでも「悪くない」音質で鳴らしてしまいます。
一聴、迫力が増した印象が強いのですが、聞き込むと実はどの帯域も強調されていないことに気づきます。Wadia850の癖が軽減されて「フラット」なサウンドが奏でられているのです。

復活させたFidelix Sh-20Kは再び引退することになりました。接続すると明らかに力感が減少してしまうのです。山手オーディオさんのブログによるとWadiaは20Khz以上の音を出力しているので、そのことが因んでいるようです。

「澄み切って精緻な音像」=Blue化万歳!といったところなんですが、Wadiaが持っていた「むんむん」とした雰囲気は明らかに薄くなりました。「澄み切って、むんむん」は流石に矛盾した表現ですよね。今までのセッティングだと、ちょっとキンキンが強いようです。

試行錯誤の末、Wadia850の電源ケーブルを廉価ですが素性の良いものに替えると素直な音になりました。