DSC_3621~2

昔「ステレオ音楽館」という、テーマ音楽にDEVOを使い、高中正義の出演したCMが記憶に残るテレビ番組があった。毎週、旬なミュージシャンのライブを平日の夕刻に連続で放映する音楽番組である。

これと和田アキラやゴダイゴが出演したグレコのCMが強烈だった「ロックおもしロック」はできる限り視聴していた。嘗ては日本のロックが主要なテーマのテレビ番組があったのだ。

高中正義の躍進は、このときのパイオニアのCMがきっかけであることは間違いなく、私と同年代で和田アキラのグレコのCMを食い入るように見つめていた人は数多に存在する。

当時はギター中心のフュージョンだけではなく、DEVOが象徴するように、テクノ・ニューウェーブ(勿論YMO!)も隆盛した素晴らしい時代だった。

私にとってビートルズは遠い過去であって、ツェッペリンやディープ・パープルも教科書であった。TOTOやヴァン・ヘイレン、クラフトワークにラリー・カールトンといったバラエティに富んだ音楽を聴いていた世代である。ジョージ・ベンソンも「Breezin'」を奏でるギタリストというよりも「Give me a G7」と呟き「Turn Your Love Around」を歌うミュージシャンであった。

さて、「ステレオ音楽館」であるが、ある週に「砂丘」をリリースしたばかりの乾裕樹のライブが組まれた。後で気づいたのだが、高中正義の「Blue Lagoon」でキーボードを奏でていたのは乾裕樹であった。

哀愁を帯びながらもとても美しく、それでいて軽やかなメロディはとても印象的であった。誰にでもできるようなアルバイトを高校生のときにしていたが、それで得た小金は書籍かレコードかに代わっていた。この「砂丘」のレコードも欲しかったが、高中正義、渡辺香津美、松岡直也、和田アキラなどのレコードで手一杯なので買えなかった。あの頃のミュージシャンは一年に2枚ぐらいはアルバムをリリースしていた。

数年後、中古レコード店で偶然手に入れることができた。久しぶりに聴いても、間違いはなかった。やはりいい。派手過ぎず地味過ぎずで心地の良い時間を確約してくれるアルバムで、私のお気に入りのレコードだった。

後年、アニメのボトムズに関係していることを知ったが、あいにくボトムズは見ていなかった。

レコードプレーヤー一式を人に譲ってからは聴く手段がなくなってしまい、CD化されるのをとても永い間待ち続けた。あまりにも音沙汰がないので半ば以上諦めていたのだが、CD化が昨年実現した。

久しぶりに聴く。やはりいいものはいい。全く古臭さを全く感じさせない。きっと今後もことあるごとにCDプレーヤーにかけるに違いない。

棚からお目当てのCDを抜き取り、ブラケースを開けてディスクを取り出してプレーヤーのトレイに載せる。
ソファに座り、リモコンのプレイボタンを押す。
吟味を重ねて構築したオーディオシステムから音楽が流れる。

オーディオ愛好家にとっての至福のひとときである。

このようなCDの愉しみはいつまで味わえるのだろうか。アナログレコードのような趣味性が低いので、息を吹き返すとは思えない。このままでは「配信」にその座を奪われるのは時間の問題であろう。

個人的には、Wadia850 をこのまま愛用し続けたいと思っている。
そのためにもメンテナンスに早く出さないといけないよなぁ〜。