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私は、紙ジャケット仕様のCDが嫌いです。

アイテムの美的観点からは盆栽に通ずる趣向があるのでしょうが、機能的観点からは面倒なことこの上ありません。ビニールカバーをペリペリと剥がし、ジャケットを取り出したのちCDを慎重に抜き出す。あぁなんと神経が疲弊することでありましょうか。
特別仕様の恩恵で音質が良いことは認めますが、ズラリと並んだプラケースの列の中でポツリポツリと紙ジャケットが異彩を放つのは全くもって好ましくありません。

今年になってから、紙ジャケット仕様のCDをオークションで処分しまくりました。思っていた以上に高値で引き取られ、そのお金でプラケースの通常盤のCDを安く買い改めました。世間的な価値観とは逆行する行為ですね。

買った以上は聴きます。
久しく聴かなかったアルバムを聴く好い機会です。
聴けば必ず感じます。「やはりいいよなぁ〜。」

最近(?)のギター・ミュージックは YouTube で視聴しています。
上手い!アマチュアの方々でも複雑なフレーズを凄まじい速度で安々と弾いています。フュージョン世代の私には信じられません。しかし自分でもギターで弾いてみたいとはなりません。

弾きたいと思えない曲は聞きたいとも思わないので、この何年かにリリースされた新譜CDは買っていません。

逆に二昔前の Ventures や寺内タケシの動画を見るといたく惹かれますし、自分で弾いてみたいと心が騒ぎだします(次にギターを買うとすれば、Mosrite で決まりです)。
新しい奏法を習得するよりも、古典ともいわれる美しくも楽しい彼らの奏でる曲々を、私は弾けるようになりたい。

おそらく年齢のせいで、最先端のセンスとズレが生じているのでしょう。

「NEW YORK」は、8名のギタリストによる NEW YORK のイメージアルバムです。当時からのフュージョンファンであればマストアイテムで、私はアナログレコードも持っておりました。

所有していたCDの「NEW YORK」は、紙ジャケット仕様ではありませんが Blu-spec CD2 盤でした。確かにシャープな音質なのですが、まったりとした廉価盤のCD選書に買い替えました。

「NEW YORK」に収められている曲々は、現在の感覚では「古臭」くて「難しくない」のかもしれません。しかし、私にとっては胸おどるフレーズと胸詰まる音色とで満ちています。聴けばギターを手に取らずにはいられない。

いつかは彼らのフレーズを自分のギターから奏でたい ― 大それた夢を描きながら、今日も下手くそなギターを弾く幸せ。