オークションを何気なく眺めてたところ、FIDELIXのSH-20Kが1万円前後で何台も落札されています。
SH-20Kとは、CDに欠損している20KHz以上の超高域にノイズ成分を2.2ミリ秒遅らせて加えることで、音楽の情報を修復する音質改善器で、ハーモネーターとも呼ばれました。
私も20年ほど前に所有していました。当時は新品で8万円程度はした「オーディオアクセサリー」です。
ポンと繋いで音質激変といったお手軽アイテムではありませんでした。電源の取り方を工夫してみたり接続するRCAケーブルを吟味してみたりと試行錯誤しましたが、明瞭には効果が判別できませんでした。その後、XLRケーブルをシステムに採用したのでRCA接続のSH-20Kは引退/売却しましたが、効能がどうにも気になるアイテムです。
現在の私のシステムは変遷を重ね、超高音域にも対応すべくスーパーツィーターにJBL UT-405を擁していますが、肝心のアナログ再生からは撤退しています。ケーブル巡礼もRCA接続で落ち着いていることもあり、折角の環境を活かすためにSH-20Kに改めて挑戦してみようという気持ちになりました。
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おそらく肝要となるRCAケーブルには、wadia850からの受け手にSAEC SL-5000を、mcIntosh MA6900への送り手にaet SCR EVDを配しました。勿論電源の極性は合わせています。
チェックディスクはいつもの「Bags Meets Wes!」。ヴィブラフォンの響きが高音域の音質判断に適しているだろうとの考えからです。
先ずはUT-405に耳を近づけて高域ノイズが聴き取れるかのテストから始めました。
う〜ん。
結論から記すと、高域ノイズを聴き取ることはできませんでした。何回もチャレンジしましたが、オフとレベル5との違いは感じられなかったのです。
次いで、S3100Mk2+UT-405のトータルでのテストです。やはり同じサワリを何回も繰り返して確認します。
うん。
プラセボ効果かもしれませんが、「なんとなく」好ましい。
「なんとなく」音像が迫り出ている「感じ」がします。本当に「なんとなく」ですが…。
良くも悪くも一聴瞭然の効果であれば「これこれだ!」と断言するのですが、本当にほんのりとした結果なので「なんとなく」としか言いようがありません。「うわっこれはダメだ」といった悪い方向に作用はしていません。
そもそもが音楽の一部を切り取った「音」のチェックではなく、音楽そのものの悦楽を享受することが私のシステムのテーゼなのです。プラセボ効果であっても、好ましいと感じればそれで良いのであります。
復帰確定です。wadia850の良き相棒として頑張っていただきましょう。
今回はSH-20Kが革命的に廉価だったので再導入することができましたが、現在でも8万円程度の価格であれば入手は難しかった。趣味におけるコストパフォーマンス問題は非常に悩ましい。