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佐藤博氏が10月26日に逝去された。享年65歳。解離性大動脈瘤だったという。

きんたこが佐藤博氏を知ったのは高中正義や細野晴臣などのアルバムだった。そのプレイと音色に惹かれたが、お金のない頃だったのでソロLPは買えなかった。

やがて好きなCDは月に数枚買えるほどは経済力がついたころ、凄い名盤があると伝え聞いたのが「TIME」だった。一聴して驚愕した。系統的には細野の「泰安洋行」+鈴木茂だなとは思った。しかしそれ以上に強いサムシングを感じた。何度かリピート再生をすると、居ても立ってもいられず「awakening」を速攻で注文した。傑作だった。これ以降、なにか音楽で癒されたいと感じたときは、この「awakening」かパット・メセニーの「LETTER FRM HOME」を聴いている。

リアルタイム・リスナーでなかったので、オークションを利用して付加価値の付いたCDを少しずつ買い足した。どれも素晴らしい作品群であったが、個人的には「awakening」が最高だ。

実は先日も酒を嗜みながら、このCDを聴いていた。あまりの心地よさにいつもどおり玉砕した。
サイトも頻繁に覗いていた。枯れることのない精力的な活動から「約40周年記念アルバムを制作して、旧来のファンを驚喜させる」と勝手に思っていた。

ネットのニュース欄で訃報を知った。すぐさまネット検索をしまくり真偽の程を調べた。川添象郎のブログで氏の死に確証を得て落ち込んだ。ぼくのあまりの落胆ぶりに、事情を知らない妻が笑った。

この数日、佐藤博氏の過去のアルバムを片っ端から聴いている(とはいうものの10枚程しか持っていない)。昨日、既に東芝盤は持ってはいるが、追悼の意味も込めてリマスタリングされたタワーレコード限定の「ALL OF ME」と「Oracle」を注文した。

もう佐藤博氏の新作のリリースはない。これからは過去の作品をどこまでも味わい尽くすしかない。「お気に入り」といったお手軽感覚から卒業し、氏の音色やリズムを体の随の奥まで染みこませたい。

合掌